裏技とバグ

開発者が意図した現象を裏技、開発者が意図していない現象をバグとして、それらの発生条件を解説します。

はじめに

初回版と改訂版でバグの一部が異なります。

PlayStation3 上でしか起きない円盤版の不具合は NOëL のバグでなく PlayStation3 のバグなので、ここには含めません。

オープニングムービー(ディスクの交換)を省略

メモリーカードに NOëL のセーブデータが存在しない状態で起動すると、ディスクのローディング後に、オープニングムービーを再生するために、ディスクの交換を指示されます。

メモリーカードに NOëL のセーブデータが存在しない状態でも、起動時に L1 + L2 を押しっぱなしにすると、オープニングムービー(ディスクの交換)を省略できます。

ディスクの交換は時間がかかるので、開発中のテストプレイ時にディスクの交換を省略する手段が必要になって、この裏技を用意したのでしょう。

オープニング再生をスキップしたため PM 08:00 に開始
オープニング再生に3分強かかるため PM 08:03 に開始

アカウントを通常よりも多く

普通にプレイしていると、月初(10月01日, 11月01日, 12月01日)にアカウントが45分振り込まれます。

月末にそのままプレイを続けるのではなく、一旦シャットダウンして再開すると100分振り込まれます。

これも、開発中のテストプレイ時に十分なアカウント量がないと作業効率が悪いので、この裏技を用意したのかもしれません。

アカウント残量が 0 min
シャットダウンせずに月をまたぐと 45 min 追加
シャットダウンして月をまたぐと 100 min 追加

フリーズ

フリーズといっても、完全に操作できなくなるのではなく、電話の相手がフリーズします。電話を切ることは可能です。

フリーズ条件は、「初回版で、セーブデータをロード後、最初の電話」です。

改訂版では、このバグは修正されて、フリーズしなくなりました。

間違ったビジュアルメール(文化祭)

CULTURAL FETSTA(歌あり)は、セーブデータを改変して、誰からもらった設定にしても、恵壬のメッセージになります。このため、以下のメールが恵壬のメッセージになります。

バグにより、以下の会話から、メッセージが恵壬の CULTURAL FETSTA(歌あり)を受け取ってしまいます。

ビジュアルメールの「各メール所持フラグ」と「送信者」が別々に管理されているため、バグで所持フラグが立ってしまうと、送信者のデフォルト値(00)である代歩のメッセージが表示されてしまいます。このため、以下のメールが代歩のメッセージになります。

バグにより、以下の会話から、メッセージが代歩の CULTURAL FETSTA(歌なし)を受け取ってしまいます。

このバグの影響で、ディスク上にデータが用意されているにもかかわらず、由香の CULTURAL FESTA のメッセージを見ることができません。

入手しえない文化祭の由香のメッセージ

間違ったビジュアルメール(日本選手権)

バグにより、以下の会話から、メッセージが代歩の TOURNAMENT(短)を受け取ってしまいます。

バグにより、初回版では、以下の会話から、メッセージが代歩の TOURNAMENT(短)を受け取ってしまいます。

バグにより、改訂版では、以下の会話から、メッセージが代歩の TOURNAMENT(中)を受け取ってしまいます。

日本選手権は 12月05日, 12月06日開催であり、その開催前に、 TOURNAMENT を受け取ってしまいます。バグで所持フラグが立ってしまったのでしょう。

日本選手権のビジュアルメールが2つ手に入る

改訂版で、以下の条件を満たすと、2つの TOURNAMENT を持った状態になります。

の、どちらかに電話をして TOURNAMENT(短)を入手して、

に電話をすると TOURNAMENT(中)が手に入り、 TOURNAMENT を、2つ持った状態になります。

TOURNAMENT が2つ(上と下)

初回版では、 TOURNAMENT を2つ持った状態にはなりません。なぜならば、初回版では

に電話をすると、TOURNAMENT(短)が手に入りますが、これらで、TOURNAMENT(短)のフラグをいくら上書きしても、1つしか手に入らないためです。

改訂版では、このバグに一部修正が入り、11月03日、11月04日、11月12日、11月21日に TOURNAMENT(短)が手に入らなくなり、

でのみ TOURNAMENT(短)が手に入ります。

11月04日にTOURNAMENT(短)は手に入らなくなったものの、

に電話をすると、 TOURNAMENT(中)が手に入ります。

セーブデータ上では、 TOURNAMENT(中)のみ、フラグが別のアドレスに存在します。このため、 TOURNAMENT が短と中の2つ手に入ってしまいます。

正式に TOURNAMENT が手に入る日(12月09日, 12月09日, 12月10日)に関しては、きちんとデバッグが行われているようで、 TOURNAMENT は、重複しないようになっています。

修学旅行のビジュアルメールが手に入らなくなる

改訂版では、修学旅行のビジュアルメールが手に入らなくなるバグがあります。

ビジュアルメールのメニュー項目数の上限は6です。ビジュアルメールは入手順に並びますが、先勝なので、6個より多くビジュアルメールを所持していると、7つ目以降が表示されません。

バグで、 TOURNAMENT を2つ所持した状態になる(11月04日)と、そのバグが起きるタイミングよりも後(11月21日, 11月22日, 11月23日)に手に入る EXCURSION が表示されなくなります。

表示されなくなるだけで、セーブデータ上でのフラグでは、そのビジュアルメールを持っている状態になります。

代歩がビジュアルメールについて矛盾した言及をする

代歩の12月09日の導入部で「私と恵壬が一緒に走るところは、まぁ、御愛嬌ってとこかな。 」という台詞がありますが、この会話で入手できるビジュアルメールは TOURNAMENT(中)であり、代歩と恵壬が一緒に走るシーンは収録されていません。そのシーンが収録されているビジュアルメールは TOURNAMENT(長)で由香の12月10日との会話により入手できます。

代歩からは NSEN_TPA.STR を入手できない

好感度が十分でなくともグッドエンディングを見れる

エンディングが見れるかどうかは、まず特定のビジュアルメールを持っているかどうかで決まります。その後、好感度の高低でグッドエンディングになるか、バッドエンディングになるかが決まります。

12/24 の電話を途中で切ると好感度がそれぞれ、 代歩が -35恵壬が -60、 されます。

好感度は2バイトで保持されていて、値域 0x0000 - 0xFFFF です。

電話かけたときのゲームオーバー判定代歩の怒る1、怒る2 の判定夜中に電話をしたときの好感度が下がる処理などは、符号付き16ビット整数型で解釈され、エンディングの判定のときは符号なし16ビット整数型で解釈されるようです。

エンディングに必要なビジュアルメールは持っているが、好感度が十分でなく(好感度が5以上35未満)、バッドエンディングの会話が始まったときに、電話を途中で切ると、好感度がマイナスになりますが、エンディング判定時には大きな値と認識され、グッドエンディングが始まります。 例えば、好感度が初期値(10進数で30)のままであった場合、12/24に電話するとバッドエンディング用の会話が始まりますが、この電話を途中で切ると、好感度が 0xFFFB になり、エンディング判定以外のシーンでは10進数で -4 とみなされるハズのところ、エンディング判定では、10進数で 65531とみなされ、グッドエンディングになります。

由香のバッドエンディング用の会話は留守番電話扱いなので途中で電話を切っても好感度に変化がないので、この方法ではグッドエンディングは見れません。

電話をかけた時点で、好感度が5未満だと、留守番電話のゲームオーバーで対応されるので、このバグは起きません。

取得予定のネットワークデータが消滅

ネットワークエージェントを検索に行かせて、データを持ち帰ってきている状態でセーブ・ロードすると、持っていたデータが失われます。再び検索しても、失われたデータを得ることはできません。

ネットワークエージェントを検索に行かせて、帰ってくる前にセーブ・ロードすると、何も持たない状態で、エージェントが戻ってきています。再び検索しても、入手予定だったデータを得ることはできません。

セーブデータの該当データの取得フラグに、どのエージェントに検索に行かせたか、記録されているので、ゲーム再開時に各エージェントに未読データを持った状態にするつもりだったのでしょう。再開時にデータを持った状態にする箇所がバグっていて、取得フラグが 00(持っていない)ではない(つまり持っている)ため、エージェントがデータを持っていないにもかかわらず、再び検索しても、該当データは見つからない状態になってしまったのでしょう。

シャットダウンするとエージェント1, 2のデータが消滅

好感度が無限に上昇する

代歩の好感度が 5未満のときに毎日 00:00 - 19:59 に1回電話するごとに+1されます。他の時間帯は1日1回のみ+1されるので、おそらく1日1回だけ+1されるようにするつもりだったがバグで電話する度に回復されてしまったのでしょう。

恵壬の好感度が 5以上で 12/23 00:00 - 22:59 の間に電話して、留守電を聞くと、その度に好感度が +9 されます。何回でも +9 されます。本来は留守電よりも後の時間帯の 12/23 23:00 - 23:59 に電話がつながったときに好感度が +9 されるようにするつもりだったのでしょう。

アカウントパネルの通話時間表示がおかしくなる

会話時にディスクを交換すると会話相手がフリーズして「疑似通信障害」が起きます

9月25日の代歩との会話のようにアカウント消費が相手持ち (Request From XXXX) のときに「疑似通信障害」を起こして、起動したままにすると、画面左下のアカウントパネルの通話時間が増え続けて、やがて表示がおかしくなります。

会話開始でアカウントパネルが 00:00
アカウントパネルが 99:59
アカウントパネルが 100:00 で表示が少しバグる
アカウントパネルが 110:00 で表示が更にバグる

ANSWERING MACHINE 表示なし

代歩11月26日の会話は内容が留守電のメッセージに聞こえますが、画面の左上に ANSWERING MACHINE 表記はありません。複数回電話をかけても、最初の1回だけが、このメッセージなので通常の会話のようにも思えます。しかし、途中で電話を切っても好感度が下がりません。これらのことと、代歩のバイト先に電話するイベントがあったが容量の関係で割愛した(※)ようなので、その名残でどっちつかずの会話になってしまったのかもしれません。

※ノエル コンプリートプレーヤーズバイブル P.11

11/26 の ANSWERING MACHINE 表記なし留守電

唐突に通話が終了する

話終えた時に通話が終了する会話ボールの内容を話しているときに別の会話ボールを投げると直ちに回線を切断されます。通話が終了する会話ボール全てに共通するので、仕様と言えなくもないですが、唐突に電話が切れるのは、おかしいので、通常の会話終了部と同様に、そのまま話し続けて通話を終えるのが意図した挙動だったのではないでしょうか?

11/6 の会話ボール「マナー」
10/16 の会話ボール「時間」
10/10 の会話ボール「やなこと」

代歩の台詞の切れ目がおかしい

代歩のみ、台詞の途中で会話ボールを投げると明らかに変なタイミングで次の会話ボールの台詞に移行する切れ目が多数あります。このサイトでは、読みやすさ優先で明らかに変な切れ目は明示していません。

同じ台詞を繰り返す

NOëL では、一部の台詞(広義の留守電、ブリッジ、ウヤムヤ)を除いて、台詞を2回繰り返さないことにより、リアリティを演出していますが、いくつかの会話ボールでは設定ミスで、全く同じ台詞を話します。

代歩の「支度」の 1st, 2nd に全く同じ台詞が設定されています。ただし、チートしなければ、2つの「支度」を手に入れることはできないので、実害はありません。

代歩の「親戚」の 3rd, 4th に全く同じ台詞が設定されています。ただし、チートしなければ、4つの「親戚」を手に入れることはできないので、実害はありません。

会話ボールが聞けるようになるタイミングの設定ミス

代歩の11月11日に聞けるようになる会話ボールが11月20日には一時的に聞けなくなりますが、11月22日には再び聞けるようになります。11月20日には重要な話があるので、一時的に、それどころではなくなると解釈することにします。入手したその日のうちに使用してしまえば普通に聞けるので、それほど実害はありません。

代歩の11月22日に手に入る会話ボールは、11月20日には既に聞けるようになっています。ただし、チートしなければ、それらの会話ボールを使うことはできないので、通常プレイでは実害はありません。

由香の会話ボールの横浜衝動買い散歩今年いいこと高度季節ごとは12月17日に入手できますが、設定ミスにより12月19日からしか聞くことができません。12月17日に使用するとウヤムヤで終わってしまうので、取り返しがつきません。

再開直後の会話ボールのアイコンがすべてネズミのアイコンになる

セーブデータのロード直後に会話ボールのアイコンが何故かすべてネズミの絵柄になります。一度、×か△で会話ボールを掴んで移動させると、会話ボールのアイコンが正しい絵柄に描き換わります。単なるアイコン描画のバグでしょう。

会話ボール取得時にはそれぞれのアイコンが表示される
シャットダウン後に起動するとアイコンがすべてネズミに

重ならないはずの会話ボールが重なる

会話ボールを他の会話ボールに重なるように移動するとすると、重ならない場所を求めて会話ボールがさまよいます。

しかし、会話ボールをプールウインドウの端に移動したときのみ、会話ボールが重なります。

カンバスを移動したり、プールウインドウをリサイズして、重なった会話ボールがプールウインドウ端でなくなっても、重なったままになります。

ただし、重なった会話ボールは招集に応じません。

プールウインドウ左端に会話ボールを重ねる
重なった会話ボールはウインドウ端でなくてもそのまま
重なった会話ボールは会話ボールの招集に応じない

会話ボールの誤字

代歩の会話ボール 01A8 の「パワー炸裂」の「炸」が文字化けしています。

代歩の会話ボール 01B8 の「憂鬱」の「鬱」が文字化けしています。

由香の会話ボール 4197 の「佐乃倉選手」は誤字です。「佐野倉選手」が正しいです。

いずれの会話ボールも通常プレイでは出現しない没データと思われます。

文字化け会話ボール「パワー炸裂」
文字化け会話ボール「憂鬱」
誤字会話ボール「佐乃倉選手」

ネットワークエージェントデータの誤字

11/20 〜 12/25 に取得できる [03] EMI'S MEMORY の文書に「私の友達や、その日に起こったことを写真に取ってみました。」とありますが、写真を「撮る」が正しいです。

12/24 〜 12/25 に取得できる [53] KAHO SECRET DATA4 の文書に「ピクチャーDISKになってラッキーかっこいいー」とありますが、 CD は Compact Disc の略なので DISK でなく DISC が正しいです。

誤字データ「写真に取ってみました」
誤字データ「ピクチャーDISK」

月末がスキップされる

初回版では、毎月末日の1日前の 23:59 から TIME CONTROL やシャットダウンでなく、時間経過で日付をまたぐと、月末日がスキップされて、次の月の初日の 00:00 になります。

具体的には

になります。

改訂版ではこのバグは修正されています。

過去に戻る

初回版では月末が31日の月を時間経過でまたごうとすると前月末になります。

具体的には、 TIME CONTROL では

となります。

ホーム画面での表記は10/00 00:00 となります。

アカウントメーターでは、次のアカウント追加日は11/1、残日数は31日と表示されます。

改訂版ではこのバグは修正されています。

アカウント残量がオーバーフローする

初回版では、前述の通り、10月31日に時間経過で日付をまたごうとすると9月30日になります。

アカウントメーターのアカウント残量の表示は、タイムコントロールでジャンプするか、シャットダウンで時刻が上書きされるまでは変化しませんが、内部値は-45分(-1ヶ月分)されています。アカウント残量が45分未満のときに、この現象が起こると、オーバーフローします。

例えば、アカウント残量が44分のときに、この現象が起こると65535分(※)になります。アカウント残量が0分のときには、65491分になります。

ただし、10月1日になると、いつも通りにアカウント残量が追加されます(45分または100分)。このときに 65535分を超えるとオーバーフローします。10月1日になる前(月をまたぐ前)に、アカウント残量が追加されても、オーバーフローしない値までアカウント残量を消費しましょう。

※アカウント残量の値域は 0 ~ 65535 分です。

Request From EMI が消える

Request From EMI が出現しているときに別の人物に電話すると Request が消えてしまいます。この状態で日付をまたいでも、着信を無視したことにはならず、好感度も下がりません。

別の人物に電話している間に、電話の呼び出しを諦めた(つまり仕様)と考えることもできますが、こちらが何もしないでいると何時間でも Request From EMI が表示され続けるのに、別の人物に電話を数秒しただけで、 Request がなくなることと、 Request From EMI が消えると日付をまたいでも好感度が下がらなくなることから、バグとみなします。

通常プレイでは Request From KAHO が表示されるタイミングでは、他の人物にかけることができないので、このバグには遭遇しません。

Request From YUKA は最終日に表示されるため、他の人物にかけるとホーム画面に戻ることはないので、このバグには遭遇しません。

Request From KAHO を持ち越す

Request From KAHO は、 TIME CONTROL やシャットダウンで日付をまたぐと、着信を無視したことになり、好感度が -3 されます。

時間経過で日付をまたぐと、 Request From KAHO の表示が消えず、その効果も持続して着信扱いとなり、その状態での1回目の通話は、こちらのアカウントが減りません。 TIME CONTROL で時刻を JUMP しても、日付をまたがなければ、 Request From KAHO は消えません。この現象を利用して、 TIME CONTROL で 9/25 23:59 に JUMP して1分待ち、 9/26 00:00 になり、 TIME CONTROL で 9/26 23:59 に JUMP して1分待ち、 9/27 00:00 になり、、、と繰り返すとリーズナブルに、 Request From KAHO を持ち越して、任意の日に着信を利用することが可能です。留守電をアカウント相手持ちで聞くことも可能です。ただし、初回版では、前述の月末日がスキップされるバグにより、 9/30 の会話に利用することはできません。

このバグは、 12/23 の Request From EMI や 12/24 の Request From YUKA でも有効です。

Request From XXX の発生条件が、複数この持ち越しバグと同時に満たすことができないため、同時に複数の Request From XXX を発生させることはできません。

Request From KAHO を 9/27 に持ち越す

好感度を下げないように Request From KAHO を無視する

Request From KAHO は、 TIME CONTROL やシャットダウンで日付をまたぐと、着信を無視したことになり、好感度が -3 されます。

ただし、 9/25 23:59 から1分経過させて、 9/26 00:00 になってから、 TIME CONTROL で日付 JUMP や、シャットダウンすると、着信を無視したにもかかわらず、好感度は下がりません。

Request From EMI が無効

Request From EMI (12/23) は、アカウント消費が相手持ちのため、こちらのアカウントを消費することなく通話できます。

ただし、バグにより、こちらのアカウント残量が0分の場合、電話に出ても1秒程度で電話が切れます。

Request From YUKA (12/24) も同様の挙動になります。

Request From KAHO (9/25) では、こちらのアカウント残量が0分であることはありえないので、チートしない限り、このバグに遭遇することはありません。

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