NOëL には時期により「年」設定にゆらぎがあるので、その変遷の跡を追います。
NOëL が発売されたのは1996年7月26日です。
過去のゲーム雑誌に掲載された開発中のビジュアルメールのメッセージ画像に日付が垣間見えます。
製品版とは異なる画面構成で右上に代歩の絵が表示されている VACATION [1][2][3]に、「あっ、ただいまって とこかな。」という代歩からのメッセージとともに中央に「96年09月03日」と日付が入っています。
前述の VACATION からメッセージだけを非表示にした VACATION [4][5] に、中央に「96年09月03日」と日付が入っています。
製品版に近い画面構成の VACATION [6]に、「ちょーひさしぶり ♡♡♡ 元気してた？」という代歩からのメッセージとともに右上に「'96/09/25」と日付が入っています。
製品版に近い画面構成の AMUSEMENT [7][8][9]に、「君のおかげで 楽しい一日 だったヨ Thank you ....」という代歩からのメッセージとともに右上に「'96/10/06」と日付が入っています。
解説書の2ページ目によると、「ネットワークがごく当たり前に家庭に浸透した、ちょっとだけ未来の日本。」とのことです。
プレイ中には表示されませんが、内部的には「年」のパラメータを持っていいます。デフォルトでは 06年となっています。ちなみに年の値域は00年から63年です。
06年を2006年とみなすと、10歳年上の代歩の姉が1996年に江珂高校に在学していたことになり、20世紀だったということの辻褄が合います。
PlayStation Magazine 1996年10月11日号の p.117 のパイオニアLDC の回答によると、 「時代設定は2010年前後で正確には決まってません。これから先、何が起こるかわからないのでそのような矛盾は出てくるかも？」とのことです。
NOëL3 はセガサターン版が1998年、 PlayStation 版が1999年に発売されました。
NOëL3 の解説書 P.3~4 によると NOëL3(と NOëL1) の舞台は 2013年です。
注：NOëL3 MISSION ON THE LINE （通常版）の解説書は全ページがカラーですが、 Major Wave シリーズ NOëL3 MISSION ON THE LINE （廉価版）の解説書は表紙、裏表紙のみカラーで、それ以外は白黒です。ゲームアーカイブス版はディスクイメージ、解説書ともに廉価版をデジタル化したものです。
おそらく開発初期には発売年と同じ1996年として NOëL を開発していたのでしょう。しかし、途中から少し未来の方が都合がよくなり、内部的には10年後（2006年）という設定にして、ユーザーには「ちょっとだけ未来」というボカした表現に留めて提示したと思われます。続編を作るにあたり具体的な年設定が必要になり、曜日の並びの都合から2013年ということにしたのでしょう。