円盤版と配信版を比較します。
ゲームアーカイブスは過去に発売されたゲームソフトをダウンロードしてプレイできるサービスです。
このページでは、前提知識として、 NOëL NOT DiGITAL (以下 NOëL)に限らない PlayStation (以下PS)シリーズの互換性や、円盤版、配信版の違いを示した後に、 NOëL に関する互換性等を示します。
PS1 用にリリースされたゲームのディスクは PS1 だけでなく、 PS2, PS3 でもプレイできます。
ゲームアーカイブスのゲームは、 PS3, PSP, PS Vita でプレイすることができます。ただし、NOëL は PS Vita でプレイできません。
つまり、 PS3 では、円盤版の PS1 のゲームと、配信版の PS1 のゲームをプレイすることができます。
ちなみに、 PS4, PS5 にはゲームアーカイブスとの互換性はありません。 PS3, PSP, PS Vita の購入履歴を PS4, PS5 で表示したり、その逆をすることもできません。ただし、サルゲッチュなどの PS1 のごく一部のタイトルは PS4, PS5 のタイトルとしてプレイが可能です。
PS3 では、円盤版はニアレストネイバー法、配信版はバイリニア法で拡大するようです。円盤版の設定でアップコンバートやスムージングをオフにしても、ニアレストネイバー法相当にはならないようです。
PS3 では、円盤版にも、配信版にも、仮想メモリーカードのセーブデータを使い回すことができます。
PS3 には、 PS2 に存在したディスクの高速読み込みオプションはないです。PS3 には、配信版にも高速読み込みオプションはないです。
複数枚の CD-ROM からなるゲームの場合、円盤版では蓋を開けて物理的にディスクを交換する必要がありましたが、配信版ではディスク交換はコントローラの PSボタン(HOMEボタン) でメニューを開き、ディスクの交換を選択する仮想的な操作です。
円盤版には紙の解説書が付属していましたが、配信版には、円盤版に存在した紙の解説書をスキャンしたデータが付属します。コントローラ操作で読み進めます。スキャンした解説書の、最初と最後に配信版特有の注意事項が追加されています。
PS3 では、メモリーカードが抜かれた状態を再現できますが、 PSP では、メモリーカードが抜かれた状態を再現できません。 PSP の仮想メモリーカードを削除しても、スロット1、スロット2ともに、ゲーム起動時に自動的に作られます。
PS3 では、スクリーンショットは撮れませんが、 PSP では、スクリーンショットが撮れます。 PNG 形式で 320 x 240 画素です。ただし、PS の起動ロゴや解説書のスクリーンショットは撮れません。
PS3 には、読み込み高速化オプションはないですが、 PSP には高速化オプションがあります。
PS3 のコントローラ(DUALSHOCK 3 / SIXAXIS) は、 PS1 のコントローラに対してボタンの不足はないので、PS1 そのままの感覚でプレイ可能ですが、 PSP には L2, R2が存在しないので、別のボタンに L2, R2 を配置します。プリセットが4タイプ用意されています。任意の配置にもできます。十字キーやアナログパッドの上下左右を含めて任意です。ただし、 SELECT, START は同名ボタンに配置が固定されていて、変更できません。
NOëL の配信版は、2009年12月24日にリリースされました。
しかし、 PSP の Wi-Fi のセキュリティの都合もあり、2016年3月31日に PSP から直接購入サービスは終了しましたが購入したものをダウンロードすることはできます。
また、2020年10月27日に PC / モバイルデバイスで PS3 / PSP / PS Vita のコンテンツが購入できなくなりました。この変更により、 PS Store の NOëL の URL (https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0571-NPJJ00313_00-0000000000000001) は無効になりました(PS3ブラウザ含む)。このため、今後、新規購入するためには PS3 の PS Store から検索して手続きしてください。
以前は PS3 で PS Store からコンテンツをダウンロードして PS Vita や PSP に転送することが可能でしたが、2022年5月11日に PS3からPS Vitaへコンテンツの転送ができなくなりました。 PSP へも同様に転送できなくなりました。
したがって、2023年現在、 NOëL の購入は PS3 で可能、ダウンロードとプレイは PS3 と PSP で可能です。
(注)PS Vita でプレイできないゲームは、 PS Vita の PS Store に表示されないため、 PS Vita で購入できません。
初回版 (SLPS 00304~5)、通常版 (SLPS 00316~7) は、解説書の偶数ページに、それぞれの品番が書かれていますが、廉価版には書かれていません。廉価版には0ページ目(表紙の裏)と裏表紙にのみ、品番 (SLPS 91043~4) が書かれています。
初回版から通常版になったときに、一部ファイルが更新されました。通常版と廉価版にはデータ的に変更はなく、完全に同一内容です。
初回版を PS3 で起動すると、ディスク交換時にフリーズします。 NOëL 起動時に、オープニングムービーを再生するためにディスク交換を要求されますが、ここでフリーズします。また、ビジュアルメールを再生するためのディスク交換でもフリーズします。ディスク交換でフリーズしますが、ディスクの交換をしなければフリーズしません。このため、オープニング(ディスク交換)を L1 + L2 で省略するとゲームを続行できます。ビジュアルメールを見ようとしなければゲームを続行できます。エンディングはディスク1に収録されていてディスク交換を要求されないため、エンディングも見ることができます。廉価版を PS3 で起動すると、問題なくプレイできます。ディスク交換でもフリーズせずに続行できます。
円盤版を PS3 でプレイすると正常にセーブできない問題があるとのことですが、厳密には正しくなく、 PS3 システムソフトウェア バージョン4.85 (2019年8月28日リリース)では、初回版では通常通りシャットダウン(セーブ)が完了し、廉価版ではシャットダウンの演出が完了間際にフリーズしますが、セーブは完了します。
また、円盤版では PS3 による PS1 の CD-ROM の制御と音声ストリームの制御の互換性が完璧ではなく音声の末尾に次の音声の開始部分と思われるノイズが発生します。
ゲームのディスクイメージ、セーブデータ、スクリーンショットのフォルダ名は初回版の品番(SLPS00304)です。
解説書の0ページ目(表紙の裏)と裏表紙には、廉価番の品番が書かれています。廉価版の解説書をスキャンしてデータ化したのでしょう。
配信版の解説書データは廉価版の紙の解説書から変更点が2つあります。1つ目が P.32 に円盤版の紙の解説書にあったパイオニアLDCの住所や電話番号が消されています。このページの背景には、オープニングの由香の水着のお尻のアップが使われていますが、この背景画像から違和感なく住所と電話番号が消されています。2つ目が P.34(裏表紙)の ©1996 PIONEER LDC, INC. ALL RIGHTS RESERVED. の文字列が消されています。これらの変更は、配信版はハムスターからリリースされたため、編集が必要になったのでしょう。
廉価版と配信版ではバイナリレベルで変更はありませんが、配信版では円盤版の PS3特有の不具合は起きません。配信版では起きずに円盤版で起きる不具合は、 CD-ROM の物理的な制御の非互換性由来の問題なのでしょう。
これらのことから、配信版は、フォルダ名等は初回版の品番ですが、ファイルは廉価版の解説書と CD-ROM から作成したのでしょう。